NEW ENTRY
(12/31)
(12/31)
(12/31)
(12/02)
(11/09)
[PR]
0-1 「Feel no fear.」
俺は、生まれつき恐怖を感じない
何でか知らないけど、俺には“怖さ”を感じる器官が機能していないんだ
だから、何処へでも無鉄砲に突っ込んじまう
そして、その瞬間が楽しくて仕方ない
小さいときからそうだった
橋の欄干とか線路の上を歩いてみたり、電柱に登って電線を伝ってみたり
高いところなんて「大好き」っていうレベルじゃない、寧ろ愛してる
バイクの免許を取って、夜中の港で沢山チキンレースをやった
暴走族の喧嘩やヤクザのドンパチにも、どさくさに紛れて参加した
そんだけ自ら危険な目に遭っても、特に何とも思わない
全然怖くないんだ
とにかく、生か死かのギリギリ、スリリングな状況が大好きなんだ
正直、自分でも“異常だ”と思う
だけど、一つだけ重大な弱点がある
俺は100万人に一人という割合の特殊な血液型
Rh-よりも遥かに珍しいらしく、そういう血は“稀血”(まれけつ)と呼ばれている
稀血でいちばん有名なのは「ボンベイ型」ってやつかな、テレビドラマにも出てきたことがある
稀血はどっかの機関に長期冷凍保存しておくらしく、万が一の時の備えとして輸血バンクに登録してある
「迂闊に輸血が必要なほど大量出血するような大怪我が出来ない。輸血が必要になったからとて、すぐに自分に適合する血液が届く訳じゃない」
それが、俺の最大の弱点だ
幸いなことに、今まで輸血が必要なくらいの大怪我はしたことがない
恐ろしいくらい運が良いんだろう
何にせよ、俺は、生きるか死ぬかという危険な状況下に身を置くことを、止められないんだ
PR
- トラックバックURLはこちら