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ガレキ

BL・ML小説と漫画を載せているブログです.18歳未満、及びBLに免疫のない方、嫌悪感を抱いている方、意味がわからない方は閲覧をご遠慮くださいますようお願い致します.初めての方及びお品書きは[EXTRA]をご覧ください.

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  • 02/05/01:16

44 Thinkin’ of …

菱和は室内の灯りを最小限にし、灰皿をリビングのテーブルに置いて、煙草に火をつけた
煙草を咥えたまま足を放り出し、ソファに寝っ転がる

寝室には、ベッドですやすやと眠るユイが居る

 

あわよくば、事に及ぶことが出来るかもしれないこの状況は、血気盛んな男子にとっては願ったり叶ったりだ
菱和も間違いなく血気盛んな青年なのだが、無防備なユイをどうにかしようという気は更々無かった

 

───草食男子かっての

 

寝室をちらりと見てから、ぼんやりと天井を仰いだ

煙草の煙がゆっくりと立ち上る
菱和は咥えていた煙草を手に取り、灰皿に灰を落とした
そしてまた、煙草を咥える
少し深く息を吸い、溜め息混じりに煙を吐いた

 

 

ユイが話し掛けてきたあの日以来、自分はすっかり“毒されて”しまった

死ぬほど退屈で嫌気がさしていた日常が、驚くほど新鮮なものになった

もしユイが話し掛けてこなければ、ずっとあのままだったかもしれない

 

鬱屈とした日々から抜け出す切っ掛けをくれた

自分の腕を欲してくれた

普通の日常を味わわせてくれた

惜しみ無く笑い掛けてくれた

俺は確かに退屈を手離して、ずっと望んでいたものを手に入れられた

 

俺はユイに、救われた

 

楽しいとか、嬉しいとか
そう感じるのは、気のせいでも錯覚でもなく、あいつがそばに居るから

でも、あいつが齎したものはそれだけじゃなかった

 

こんな気持ちを抱いたのは、生まれて初めてだ
最初は、この感情の正体が何なのか全然わからなかった

 

相手は男、同じ“もの”が付いている

普通ならこんな感情は有り得ない

でも、そんな事情を全て取り払い、一つの感情が凌駕する

ただの好意ではなく、もっと特別なもの

 

わざわざ隣に来ることも
騒がしい話し声も
屈託の無い笑顔も
ギターを奏でる指も
そこから紡ぎ出される音も
何の躊躇いもなく寄り添う旋律も
目配せしてくる視線も
美味そうに食う顔も
無防備な寝顔も

 

いつからか、“愛おしい”と思ってしまった

 

こんなことを本人に打ち明ければ、一体どんな反応を見せるのか

“からかってるだけ”とか“気が触れた”とか思われるかもしれない

云ったところで困らせるだけなら、無理矢理云う必要もない

そして、特別取り繕う気も無い

 

以前リサが云った言葉

『あんたがバイだろうがゲイだろうが』

 

いや、バイだのゲイだのというものとは違う

“男が好き”なんじゃなく、“好きになった相手がたまたまユイだった”というだけだ

別に、好きになったからってどうこうしようって気はない

“触れたい”と思ったことは行動に現れてしまったけど、それ以上のことをする気はない

少なくとも、理性が働いているうちは

 

ただ、ユイが、いつも在るがままで居てくれさえすれば

他には何も望まない───

 

 

壁に掛かっている時計に目をやる
時刻は深夜1時を回っていた

菱和は煙草を火消しに挿した
次第に微睡み、安らかに眠るユイのことを想いながら、ゆっくりと目を閉じた

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