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ガレキ

BL・ML小説と漫画を載せているブログです.18歳未満、及びBLに免疫のない方、嫌悪感を抱いている方、意味がわからない方は閲覧をご遠慮くださいますようお願い致します.初めての方及びお品書きは[EXTRA]をご覧ください.

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  • 02/05/02:35

31 LAST⑦※

◆◆◆喧嘩のシーンがあります 暴力的な描写が苦手な方はご注意下さい◆◆◆

 

***

 

タクシーを降りた菱和は、街灯の少ない路地に入った
不良の溜まり場としてそこそこ知られている“例の場所”
古賀にしつこく誘われ、何度か訪れたことがあった
もう二度と足を踏み入れることなど無いと思っていたが、こんな形でまた来ようことになろうとは思いもしなかった

───金輪際、ごめんだ

菱和は既に廃ビルと化した、5階建て程の古びた建物へと歩いて行った

 

廃ビルの入り口付近には、“BLACKER”の面々が10人程屯していた
そのうちの何人かが、菱和に気付く

「お、誰か来た」

「お前か?“菱和”ってのは」

菱和はその声に答えることなく、真っ直ぐ廃ビルに向かった
“BLACKER”たちは、扉の前を塞ぐようにして菱和の行く手を阻んだ

「てめぇ、何無視してんだよ!」

一人の男が菱和の肩を強く掴み、顔面目掛けて拳を振り上げた
ところがその拳は、ぱし、と受け止められた
菱和はいつもの無表情で、男の顔を見た

灯りの少ない夜道でもわかるほどに、その眼光は一瞬で相手を怯ませる程の冷たく鋭いものだった

菱和の視線にたじろぎビビった男は若干後ずさりしたが、他の男たちは菱和の周りに群がった

「おい、お前だろ?古賀がムカついてる奴って」

「俺ら、古賀にお前ボコっても良いって云われてんだよ。どうしてもここ通りたきゃ、俺ら倒してから行くんだな」

汚い笑い声が、人気のない路地により反響した
菱和は特に反応せず、“BLACKER”の面々を見回した

「お前一人じゃ無理だろうけどなっ!!」

男の拳が、菱和の頬を打つ
菱和は若干よろけたが、殴ってきた男を無表情のまま睨んだ
さらりと流れる前髪からその目が垣間見え、男の姿を捉えた菱和は低く呟いた

「──────退け」

刹那、菱和は目の前の男の顔面を思い切り殴った

男の身体はふわりと浮き、ふっ飛んだ
仰向けに倒れた後、だらだらと血が流れる鼻を押さえ、立ち上がることも出来なくなった

互いに一発浴びただけなのだが、立ち上がれない様子の男に対して菱和はさほどダメージを食らっていなかった
今しがた人を殴った右手の手首を、ブラブラと振った

「───てめぇっ!!!」

それを合図に、“BLACKER”の面々は一斉に菱和に襲い掛かった

 

中学時代、それなりに場数を踏んでおり、喧嘩慣れしていた菱和
長身の割には俊敏で、容易く攻撃を避け、反撃する
何発か浴びたものの、ユウスケが云っていた通り“猫パンチ”程度のものにしか感じられなかった
“BLACKER”たちはどんどんとその場に倒れていき、あっという間に残り一人になった
その一人に視線を落とし、菱和はゆっくりと近付いた

「あ、あんま、調子乗ってんじゃねぇぞ‥‥!」

男はサバイバルナイフを取り出した
菱和はナイフに少しも臆することなく、男へと歩みを進めた

「───死ねやぁっ!!!」

男は、菱和目掛けてナイフを向けて走り込む
菱和は咄嗟に避けたが、男が振り向き様に振った手に握られたナイフの刃が、菱和の左腕を切り裂いた
血液が腕を伝い流れ出てくるのを感じる
シャツの袖は裂け、みるみる赤く染まり出す
菱和は、腕を伝い流れてきた血液で濡れる掌を見た

「ひっ、ひひ‥‥‥‥沈めや!!」

流れ出る鮮血を見てハイになってしまった男は、菱和を目掛けてナイフを振り翳す
菱和はそれを避け、血だらけの左手で男の頭を掴み、思い切り頭突きをした
男がよろけた隙に菱和はナイフを持つ手ごと蹴り上げ、男の手首はあらぬ方向にぐにゃりと曲がる
カラカラと金属音が鳴り、ナイフは地面に転がった
手首を押さえ、膝をつき悶絶する男の頬を掴むと、菱和はそのまま顔面を3回ほど殴り付けた
菱和が手を離すと、男は鼻血を吹き出して倒れ込み、再び悶絶した

 

軽く肩で息をし、立ち竦む菱和

最後の一人を倒され、騒然とする“BLACKER”の面々
既に戦意を喪失しており、中には逃げ出す者も居た
菱和は残っているうちの一人に近付き、低い声で尋ねた

「──────古賀は?」

「ちっ地下、に‥‥っ」

怯えたの男の身体は、みっともなくぶるぶると震えていた

菱和は男に一瞥くれると踵を返し、重く錆びたドアを開け、廃ビルへと入って行った

 

***

 

取り敢えず車に乗り込んだユイ、拓真、アタルは、これからどう行動するか話していた
アタルは煙草を取り出し、火をつけた

「確か菱和はタクシー乗ったっつってたな。『第2アカシアビル』か。どの辺なんだべ‥‥たー、ちょい調べてみ」

「うん」

スマホの地図機能を表示させ、拓真はビルの所在地を調べ始めた

「っていうか俺と拓真は喧嘩できないけど、もしそういう状況だったらどうすんの?」

「別にどうもしねぇよ。臨機応変に対応するだけだ」

「足手まといにしかならないと思うけど、大丈夫かな?」

「今更大丈夫も何もねぇだろ。お前の場合は止めても無駄だと思ったから黙って連れてきたんだよ。それに、お前らの大事な幼馴染みと“うちのベーシスト”、放っとくわけにゃいかねぇからな」

アタルは煙草を吹かしながら云った

“うちのベーシスト”

アタルはとっくに菱和を受け入れるつもりでいたようだ
ユイはアタルの言葉を聞いて、にこっと笑った

「まぁ穏便に話し合いで解決ってわけにはいかなさそうだよねー‥‥あ、これだ。『第2アカシアビル』」

「ふーん‥‥ちょっと距離あるな」

「行けそう?」

「15分くらいってとこか。なるべく急ぐけど、安全運転で行くかんな」

「おっけー!」

「‥シートベルト締めろチビ助!!」

アタルはユイを睨み、車窓から喫いかけの煙草を投げ捨てた

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