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ガレキ

BL・ML小説と漫画を載せているブログです.18歳未満、及びBLに免疫のない方、嫌悪感を抱いている方、意味がわからない方は閲覧をご遠慮くださいますようお願い致します.初めての方及びお品書きは[EXTRA]をご覧ください.

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  • 02/05/02:35

25 LAST①

菱和からチケットを貰った次の日、ユイは拓真とアタルに連絡をした
二人とも特に予定もなく、ユイの家に集まることになった
昨晩の失態も含めて事の経緯を話すことになり、それを聞いた二人はゲラゲラ笑った
 
「道に迷うって、小学生かよ!お前ほんとバカだな!」
 
「下調べまでしたのに、マジで何しに行ったんだよ?」
 
「もおぉ、そんなに笑わないでよ!!お陰で菱和に会えてチケット貰えたんだから!はい、これ!」
 
ユイはむくれ、笑う二人に乱暴にチケットを手渡した
 
「ああ‥そうだっけ‥‥はー腹痛てぇ」
 
「今度は一人で行かせらんないな。場所は‥‥“M Labo”?ってどこにあんの?」
 
「こっからなら少し遠いな。車で行くか」
 
「出してくれるの?」
 
「ああ。次の土曜日だろ?多分でぇじょぶだと思う」
 
「じゃああと2枚分、リサとカナ誘っても良い?」
 
「5人か。まぁ乗れねぇこたぁねぇか」
 
「よっしゃ!じゃあリサに連絡してみる!」
 
ユイは携帯を手に取り、リサにメールを打ち始めた
 
「っつぅか、菱和って上手いのか?ベース」
 
「いやー、上手いなんてもんじゃないね。ありゃ引く手数多だよ。声掛けといて正解だったと思う」
 
拓真はアタルに、菱和のベースについての印象を語る
メールを送信し終えたユイも、菱和のベースの“味”を思い出した
 
「そういや兄ちゃんのベースと似てるとこあるよ」
 
「え、そうなの?」
 
「うん。だって、“同じ味”したもん」
 
「たけにいと?」
 
「うん」
 
「尊は何味だっけか」
 
「ミルクティー」
 
「たけにいは分からなくもないけど、あのベースがミルクティーって‥‥全然イメージと違うなぁ‥‥」
 
「完全に見た目と相反するな。結局、不良じゃなかったのか?」
 
「全然違う。優しいし、頭良いし、真面目だし。煙草は喫うけど‥‥あ、あとめちゃくちゃ料理上手いんだよ」
 
「ほんと、見た目だけだね。不良っぽいのは」
 
「ふーん‥‥ま、尊のベースと似てるってんなら俺らの中に入っても問題なさそうだな。このライヴ観てみて、最終決定にするか。‥‥っつうか、バンドの名前は?何番目に出るんだよ?」
 
「あ、聞き忘れてた!あとで連絡してみる」
 
「ほーんとお前肝心なとこ抜けてんのな。テキトーだし」
 
「大雑把なんだか細かいんだかわけわかんないあっちゃんよりマシだよ。‥‥‥‥あ、返事来た」
 
ユイの携帯が着信音を奏でる
ユイはアタルの言葉に目も合わせず云い返し、リサに返信する為に携帯を操作し始めた
 
「‥‥‥‥あいつ、殴って良いか?」
 
「‥‥デコピンくらいで勘弁してやってよ」
 
自他共に認める面倒臭い性格のアタルは、それを指摘され不機嫌そうな顔をした
 
 
 
***
 
 
 
週末
翌日に菱和のライヴを控えた夜、浮き足立つユイは自室でギターを弾いていた
部屋にはCDとスコアが足の踏み場もないほど散乱している
起床してから夜までほぼ弾きっぱなしだったユイは、ギターをスタンドに置いてベッドに寝っ転がった
 
「はー‥‥‥‥」
 
携帯の時計表示を見てみると、既に0時を回っていた
 
───もうこんな時間か
 
こんな日は特別珍しくも何ともない
食事を摂るのも忘れて、一日中ギターを弾きっぱなしで、腹の足しにはならないが心は満たされる
空腹など気にもならないほど夢中で弾き続けることは日常茶飯事だ
 
 
 
「───あ」
 
先日、『菱和のバンドの名前と順番を聞く』と云っていたことをすっかり忘れており、ふと思い立って菱和にメールをしてみた
 
 
 
『まだ起きてる?寝てたらごめんねm(__)m』
 
 
 
───またあっちゃんに文句云われちゃう‥‥抜けてるとかアホとか何とか
 
アタルのニヤけた顔が浮かんでくる
 
「ん」
 
携帯が鳴った
メールの返事が返ってきたようだ
ユイは少し安堵し、携帯の画面を見た
 
 
 
『なんかあった?』
 
 
 
絵文字も顔文字もない、素っ気ない文面
ユイは、すぐに返信をした
 
『聞くの忘れてたけど、菱和のバンドなんて名前??』
 
『BURSTってやつ』
 
『何番めにやるの?』
 
『3番目』
 
『わかった、ありがとう!』
 
『迷わないで来れそう?』
 
『大丈夫!車で行くから!明日楽しみにしてる♪』
 
 
 
これで、明日アタルに文句を云われずに済む───
 
ユイは軽く溜め息を吐き、携帯を枕元に置いた
程なくして、また携帯が鳴った
もう返事は無いだろうと思っていた矢先の返信
何だろう、と思い携帯を取った
 
 
 
『早く寝ろよ』
 

 
メール画面には、そう表示されていた
時刻は、0時半を回っていた
 
「‥‥‥‥、自分だって」
 
明日ライヴのくせに、と思い、ユイは唇を尖らせた
 
菱和との初めてのメールのやりとり
素っ気ない中の何気ない気遣いを感じたユイは、満足気に楽器の片付けを始めた

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