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ガレキ

BL・ML小説と漫画を載せているブログです.18歳未満、及びBLに免疫のない方、嫌悪感を抱いている方、意味がわからない方は閲覧をご遠慮くださいますようお願い致します.初めての方及びお品書きは[EXTRA]をご覧ください.

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  • 02/04/20:04

5 1st contact ③

「何でそんなことユイにさせるわけ?」
 
「んなこと云われたって‥‥あっちゃんが『誘え』って、ユイも『わかった』って即答するから‥‥」
 
「‥ほんとに“享年17歳”になったらどうすんの?」
 
「どうしようなー‥‥」
 
「てか、ユイどこ行ったの?」
 
「‥知らん」
 
 
 
教室の片隅で、リサが拓真を詰問している
リサが登校したのは、ユイと菱和が教室から出ていった後だった
クラスメイトたちから質問攻めにあっていた拓真は、今度はリサから責められている
疲弊している拓真の横で、青筋を立てているリサ
二人には、ユイと菱和が教室に戻ってくるまでの時間がとても長く感じた
 
予鈴が鳴る少し前に、ユイは教室に入ってきた
入ってくるなり、嬉々として拓真に駆け寄った
 
「拓真!聞いてよ、朗報だよ!あのね‥」
 
「───ユイ!無事だったか!お前、どこも何とも無い!?」
 
「へ?別に?あ、リサ。おはよー」
 
「おはよーじゃないよ。あんた、何やってんの?」
 
「何って‥菱和をバンドに誘ってただけだよ」
 
「それは今聞いた。もう、そうじゃなくて!」
 
「何だよー?」
 
リサの小言の途中で、予鈴が鳴った
「また後で」と話を中断し、ユイは自分の席へ向かった
拓真とリサは呆れ顔で、同じく自分の席についた
 
ちらりと後ろを見ると、菱和は既に席についていた
置きっぱなしにしていた音楽プレイヤーを手に取り、また音楽を聴き始めた
 
 
 
昼休憩の時間になり、生徒たちはそれぞれ昼食をとる準備をしている
ユイと拓真は、普段から一緒に昼食を食べている
ユイはパンの入った紙袋を、拓真はお弁当が入った巾着を提げて、いつも昼食をとっているホールへと向かって歩きながら、朝に中断していた話をし始めた
 
「‥‥じゃあ、バンドに入ってくれるかも知れないってこと?」
 
「うん!だから、返事待ってみようよ」
 
「まさかこっちの話に乗ってくるとは‥なんか意外過ぎるなー‥‥」
 
「ね?“話してみるとイイ奴”だったっしょ!」
 
「んー‥‥まだよくわかんないけど‥って、どこ行くんだよ?」
 
拓真はいつものようにホールの机にお弁当を置いたが、ユイは紙袋を持ったままホールを通り過ぎようとしていた
 
「俺、菱和のとこ行ってくる!」
 
「は!?」
 
「シンボク図るんだよ!よくわかんないんでしょ?菱和がどういう人なのか。一緒にご飯でも食べてみりゃわかるって!」
 
「お、おいちょっと待てって‥‥」
 
拓真の呼び掛けも空しく、ユイは行方も知らない菱和のところへと走って行った
 
 
 
***
 
 
 
───教室で飯食ってるの見たことないもんなぁ。どこに居るんだろ‥‥つぅか腹減った‥
 
ユイは行く宛もなく菱和を捜し回っていた
教室には居ない、ホールにも居ない、中庭にも居ない───途方に暮れかかっていた
空腹のまま校舎内を走り回っていたことで少々疲弊し、窓際に寄り掛かって恨めしそうにパンの入った紙袋を見つめた
そんなユイに、ある友人が声を掛けた
 
「よー、ユイ」
 
自分を呼ぶ聞き慣れた声の方を振り返ると、濃いアッシュの髪色、両耳にピアスを付け、左手にオニキスのブレスレットをした生徒が立っていた
漆黒のブレスレットが光る手から、烏龍茶のペットボトルがだらしなく下がっている
 
彼は救いの神のように思えた
『菱和がベースを弾ける』という情報をくれたのが彼、上田だったこともあり、彼なら菱和の居場所を知っているかもしれないと何の根拠もない希望を抱き、ユイは上田に尋ねた
 
「あ、上田!あのさ、菱和知らない?」
 
「“菱和”?お前の口からそんな名前聞けるとはなー、かなりの予想外だわ」
 
「だって、菱和がベース持ってるとこ見たんでしょ?」
 
「あぁ、“L-CUBE”んとこでね」
 
「そこまだ行ったことないんだよなぁ‥‥あっちゃんはあるみたいだけど、俺にはまだ早いって云われて‥‥」
 
「良くてカツアゲか、最悪拉致られるよ、ユイなら。てかアタルくん元気?」
 
「元気だよ、もう超元気‥‥ってあっちゃんのことはどうでもいいから!菱和!菱和の行きそうな場所知らない?」
 
「いやいや、俺も菱和と話したのこの前が初めてだし‥‥」
 
「それでも、多分このガッコでいちばん菱和のこと知ってるのカナか上田くらいだよきっと!」
 
「カナ?あぁ、長原ね。長原も俺も一年の時同じクラスだったけど、全然学校来てなかったからなぁ菱和って‥」
 
「そっか、上田も6組だったっけ?」
 
「そうそう。んーそうねぇ‥‥‥‥多分、旧校舎の屋上じゃねぇの」
 
「屋上?」
 
「多分ね、多分。なんか一人でいるの好きっぽいし、学校ん中で一人になれる場所ってあすこくらいっしょ」
 
「‥そっか、わかった!サンキュー!」
 
ユイは廊下を歩く生徒たちを掻き分け、また走って行った
 
 
 
その少し後、ユイを捜して同じく駆けずり回っていた拓真が、友人たちと談笑している上田を見つけた
 
「あ、上田!ちょうど良かった、ユイ知らない?」
 
「何なんだよお前ら、人の居場所ばっか聞いてきやがって。俺は探偵じゃねぇんだぞ」
 
「え、何それ」
 
「ついさっき、ユイが菱和の居場所聞いてきた。菱和がいるかどうかはわかんないけど、ユイは屋上行ったよ」
 
「屋上!?またそんな閉鎖的なとこに‥‥」
 
「なになに、なんか面白ハプニング?」
 
「いや、ハプニングってほどのもんでもないけど‥‥」
 
もう初めから話すのも面倒臭い
そう思いながらも、拓真は肩で息をしながら事の経緯を上田に話した

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