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116 おやすみ
その夜、悪夢は見なかった
アズが抱き締めてくれて
頭を撫でてくれて
気付いたら眠ってて
ただただ深い眠りに就いていた
何時だったかはわからないけど
ふと目が覚めたら
横に居るアズが眠ってて
あったかくて
気持ち良くて
心がくすぐったくなった
長い前髪が邪魔じゃないかと思ってそっと除けたら
普段はあんまりよく見えないアズの目が見えて
睫毛が長くて切れ長の目が閉じられてるのが暗闇でもわかって
アズの寝顔を見たら安心して
ちょっとだけ、笑った
アズが少し唸って
思わず寝た振りをしたら
アズが顔を寄せて
俺の額にキスした
大きな手で何度か俺の頭を撫でてから
溜め息を吐いて
そのままアズはまた寝ちゃったけど
俺は寝た振りを続けてた
静かで
ただ静かで
アズの心臓の音が聴こえるくらい静かで
アズが大怪我をして昏睡状態から目覚めたときに
『“死んでなかったのか”って思った』って言葉が蘇ってきて
今度は心がぎゅ、ってなった
アズの胸に手を当てたら
心臓が動いてるのが伝わってきて
今アズが隣にいてくれることが
生きていることが
嬉しくて
嬉し過ぎて
思わずアズに抱き付いた
アズの胸に顔を埋めたら
アズが俺を抱き寄せてきた
ちょっとびっくりして顔を上げたら
アズがふわ、って身体を起こして
俺の頭を撫でて
キスしてくれた
俺は照れて瞬きを沢山したけど
アズは少しだけ笑って
頭を枕に戻してから
布団ごと俺を抱き締めた
アズに抱き付いたら
アズは子供をあやすみたいに
ずっと俺の背中を叩いてくれた
アズの大きい手が
優しくて
すごく落ち着いて
またアズの心臓の音が聴こえるくらい自分の心臓が治まった頃
俺は意識を手離してた
布団から
枕から
勿論アズからも
アズの匂いがする
眠りに就く瞬間まで
五感の全てがアズを捉えてて
アズを独り占めしてることが
贅沢のようで
でも嬉しくて
この時が永遠に続けば良いのにって思った
“アズとずっと一緒に居られますように”って、
祈った
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