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ガレキ

BL・ML小説と漫画を載せているブログです.18歳未満、及びBLに免疫のない方、嫌悪感を抱いている方、意味がわからない方は閲覧をご遠慮くださいますようお願い致します.初めての方及びお品書きは[EXTRA]をご覧ください.

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  • 02/05/02:35

37 綽名

始業式を迎えた、8月の後半
ユイと拓真はいつものように自転車を漕ぎ、学校へ向かう
学校に着くと、2人は校門の前で止まった

行き交う生徒たちの中、一人の友達を待つ為に

 

相変わらずだらしなく着崩された制服
鬱蒼と伸びた髪
そして、夏休み前に比べると少し減ったが、未だ痛々しく顔中に貼られた絆創膏と、手首に巻かれた包帯
正しく喧嘩の痕が残る菱和が、気怠そうに歩いてくるのが見える
他の生徒たちが菱和を避けている中、ユイと拓真は菱和に声を掛けた

「おはよ」

「はよっ!」

「‥‥おう」

菱和はいつもの無表情で、2人の挨拶に応えた

 

「なんかさー、あっちゃんが云ってたけど名字じゃ堅苦しいよね‥‥‥‥そだ!俺、今から菱和のこと“アズ”って呼ぶ!」

ユイが2人の前へ出て、くるっと振り向いた

「“梓”だから、“アズ”?」

「うん!ね、良い?」

「じゃ、俺もあっちゃんに倣って、“ひっしー”って呼ぼうかな」

2人は揃って菱和の顔を見た
菱和は面食らった顔をしていたが、ほんの少し口角を上げた

「‥‥‥‥別に、構わねぇけど」

「よっしゃ!そんじゃあ、俺のことは“ユイ”って呼んで!拓真は‥‥」

「ま、俺は何でも良いんだけど」

「‥‥‥‥“たっくん”?」

菱和が、ボソリと呟く

「え!そっち!?そのあだ名で呼んじゃう!?」

拓真は肩を竦ませて驚いた

「ははは!俺、拓真のこと“たっくん”って呼んだことないー!」

「止めろよ今更、気持ち悪いから」

「アズはほんとに拓真のこと“たっくん”って呼ぶの?」

「‥‥いや、冗談だから」

「だよね、だよね。そんなキャラじゃないよね、ひっしーは」

「‥‥いつかは呼ぶかもしんねぇけど」

「え!!?もー、勘弁してよー‥‥」

「良いじゃん、“たっくん”でも“たくちゃん”でも!上田だってたまに呼んでるじゃん?」

「あいつは完全に俺のこと侮辱してるから」

「そんなことないって!拓真のこと好きなんだから!」

「あーはいはい。何だよ、お前だって地味に“たっくん”のくせに」

「そう云われればそうだね。もう“ユイ”で慣れちゃったから、いきなし“たっくん”って呼ばれてもわかんないかも」

「だろうな。まぁ、ユイは“ユイ”の方が似合ってるかな」

「ほんと?じゃあ、改名しちゃおうかなー」

「それはまずいんじゃない?親父さん、一応たけにいと対で付けてくれたんだろ?」

「うん、そう。でも、誰も“タダシ”って呼んでくれないから‥‥」

「それもなんか淋しい気もするな‥‥」

「でしょー?」

 


自分の名前あるあるを話したところで、ユイは振り返り、笑顔を向ける

「アズ、行こっ!」

「‥‥ん」

菱和は相変わらず無表情だが、新しく付けられたあだ名で呼ばれ、いつもより幾分穏やかな表情をしていた

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